一般社団法人 日本内視鏡外科学会

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学会について

理事長挨拶

最終更新日:2024年2月1日

2023年12月より、坂井義治先生の後を引き継いで日本内視鏡外科学会(JSES)の第6代理事長を拝命致しました慶應義塾大学の北川雄光です。

本学会初代理事長の出月康夫先生は、今から30年以上前、1990年に本邦に内視鏡外科手術が導入された頃の様子について、2001年の医学のあゆみ誌に次のような内容を記されています。「1990年のアメリカ外科学会では、腹腔鏡下胆嚢摘出術手術のビデオを見た高名な長老外科医が“simple and easy caseに対する手術である”と皮肉たっぷりにコメントした」。当時の手術器材、画像技術、外科医たちの経験では致し方ないコメントであったと推察されます。しかし、現在は、良性疾患のみならず多くの悪性腫瘍に対する高難度手術が腹腔鏡、胸腔鏡下そしてロボット支援下に行われています。つい先日も立案から約10年をかけて完遂したJCOG1409試験により胸部食道癌に対する従来の開胸手術に対する胸腔鏡下手術の長期成績における非劣性が証明され、米国臨床腫瘍学会(ASCO) Gastrointestinal Cancers Symposiumにて、その結果が報告されました。第2代北島政樹理事長、第3代北野正剛理事長、第4代渡邊昌彦理事長、第5代坂井義治理事長の先見性とリーダーシップのもと、内視鏡外科手術が領域・臓器横断的に大きく発展し、いくつかの外科系学会が会員数減少の危機にある中で、現在でもその可能性を広げ、多くの若手外科医たちの目標になっていることは大変喜ばしいことであると同時に、第6代理事長として責任の重さを感じております。

近年、ロボット支援手術は急速に普及し、人工知能を用いた大量の手術関連データの解析が可能になってきました。私たち日本内視鏡外科学会は今、新しい時代に直面しています。坂井前理事長が提唱されたSurgical Data Scienceの重要性が一層注目され、様々なエビデンスが示す「日本の優れた手術手技」が貴重な「日本の財産」となり、新たな「グローバルな産業」を生み出す可能性を秘めています。本学会が先導してきた確固たる技術認定制度と教育システムを基盤に、海外連携、医工連携、多職種連携を一層推進し、この潮流をさらに大きくして参りたいと思います。

また、若手医師がロボット支援手術など新しい技術を習得する機会を拡大すると同時に、高い技術を習得した外科医が社会的な評価をしっかりと享受できるシステムの構築が必要です。

次世代の外科系医師の未来のために、本学会が大きな役割を果たすために会員の皆様のお力添えをいただきたく切にお願い申し上げます。

2024年1月

日本内視鏡外科学会 理事長 北川雄光

日本内視鏡外科学会 理事長
北川雄光

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